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女だから言えること | 引きこもり、精神病からの生還

太ったおじさんみたいなおばあさんの皮肉とメロドラマに満ちた遺言。

はじき出された者と、自由な主婦と、強烈な孤独

エッセイ

私は、心に、開かない扉を持っている。

当然、自分自身で開けることなんかできない。

鍵をなくしてしまったからね。

もしかしたら、最初っから鍵なんかない扉なのかもしれない。

 

誰かがこじ開けようとしたこともない。

だから、ひっそりと、扉は閉まったまま。

矢野顕子氏は「ひとつだけ」で、

おそらく、恋した相手の「心の黒い扉」の鍵が欲しいと歌った。

 

人の心の扉の色を「黒」だと決めつけるあたりが、

恋している女性の盲目なところだなって、

ちょっと怖い気もする歌なんだけどね。

 

もしかしたら、その人の心の扉の色は虹色かもしれないし、

バラ色かもしれない。って思わないのかな?

 

デスペラードは「ならず者」って日本では訳されているけど、

実際は「はじき出された者」っていう意味合いのほうが

強いって、音楽に詳しい友達が言っていた。

 

(訳すのが面倒なので、こちらで訳しをどうぞ。)

 

私には懐かしい家がないんだよ。

家は、寝に帰る場所という程度の認識で、

いつも、それは、そうで、家に帰れば落ち着くとか

そういう感覚は生まれて一度も持ったことがないの。

 

自由はいつも「死」と隣合わせだった。

その気になれば「安定」が手に入る社会で

わざわざ、不安定な、

「死」が傍らにある生き方を選んでしまうなんて

大馬鹿者としか、いいようがない。

 

自分のやりたいようにやるには、

人とは深く関わるべきではないと知っていた。

巻き込んでしまうし、巻き込まれてしまうから。

だから結婚はしないし、子供は作らないと決めていた。

とくに男性不信だから余計に。

(結局、うっかりミスで結婚しちゃったんだけどね。)

 

親はいない、実家はない、金が稼げなくなったら死ぬだけ。

ああ、私このまま目を閉じたら死ぬんだなって、

思ったことも何回かある。

 

それでも、すすんで巻き込まれてくれる人が

まれにいたから、びっくりする。

マヌケだったのか、お人好しだったのか、

私は、そんな人達に忠義を尽くしたくても、

彼らは、いつも黙って、いなくなってしまう。

 

そういったことを「愛」とか「優しさ」とか呼ぶなら、

私も、そういうことのできる人間になりたいと

そう、思って生きてみて、

やっと、すこしだけ、人のために動ける人間になったのかな。

 

夫は「ららちゃんのいる家に帰ると落ち着く」と

言ってくれて、私のことを大好きでいてくれるけども、それは、私が

私は一家の太陽なんだからしっかりしなきゃ!!」

って、気を張ってるから。

 

私にとっては、家庭は安心できる場所なんかではなく、

ずっと気を張っていなければいけない戦場。

少なくても、今の私にとってはそう。

 

私は家庭の精神的支柱だから折れるわけにはいかない。

 家は、家株式会社で、職場。少なくても主婦にとっては。

だから、主婦は一年365日、1日24時間、

職場に泊まりこんでいるのと同じ。ずーーっと職場にいるのが主婦。

この緊張感から解き放たれたくて、

ときどき、龍安寺とかにデトックスに行くの。

 

夫たちよ。君たちのつらさを、私達、妻は分かってあげられない。

会社や社会という戦場で、家族を養えるだけの給与を取ってくる、

君たちの苦しみを、本当の意味では理解できないことを

申し訳なく思う。

 

だけど、主婦も孤独なのだよ。

 

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