女だから言えること | 引きこもり、精神病からの生還

太ったおじさんみたいなおばあさんの皮肉とメロドラマに満ちた遺言。

【映画】存在の耐えられない軽さを久しぶりに見た

久しぶりに、存在の耐えられない軽さを見ました。

当時の日本語の予告編ってこんなふうだったなーと

思い出してしまいました。

 

映画館で見るジュリエット・ビノシュはガラスのように透き通った美しさがあって

靴下にぺたんこ靴の似合う女性になりたいって、

あの当時は思っていました。

まだ、学生の時かな。見たのは。

 

私は恋愛や結婚が主軸の人生になるタイプだとは思っていなかったから

ずーっと、サビーナみたいな生き方がしたいって思っていたの。

サビーナほど才能があったわけでもなければ、

優秀であったわけでもないけど、

20年もの間、自由奔放に一人暮らしをして、

お金もどこかしらから調達してきて、

ボーイフレンドもちょこちょこ作りながら生きちゃったから、

結局、若いころにやってみたかった通りの人生だったのかもしれない。

 

さすがに、精神病になったときは

「私、40歳までには死ぬな。」って、本当に覚悟を決めたんですよ。

でも、人間の運命って面白いもので、

意外と生きてる。

 

オンボロアパートで精神病で、一人で寝込んでいたときに、

それはそれは、セクシーな外国人の男性が

ウチに出入りしていてね、トマシュのように、とても、とても、

モテる男性。結局、彼はオーストリアに留学しちゃって、

そのままヨーロッパに残っちゃったんだけどね。

 

「家制度」には絶対に関わりたくない。

「結婚だけは絶対したくない。」って、

誠実で優しくて、安定した職業についていて、

結婚を申し込んでくれて、なおかつ両想いの男性を泣く泣く振り切って、

プレイボーイとエロティックな関係を作っていたあの頃。

誠実な男性は恋愛の着地点に、必ず「結婚」を考える時代だった。

私は、結婚せずに事実婚で逃げ切りたかったのよ。

でも、そーゆーわけにはいかなかった。

ああいう時期も、私には必要だったのかもしれない。

 

 うまく言えないけど、ブエノス・アイレスっていう映画を見ても

すごく、すごく、感じることだけど、

脳の波長と、肉体の柔らかさが合う人と、肉体を重ねるのって

本当に至福の時間で、もう、これ以上、これ以外、何もいらない!って

思えるくらいの幸福感を与えてくれるの。

そんな場面を、ほんとうによく表現してるなって、感心しちゃうの。

 

私は独身主義者だったから、結婚とか配偶者とか夫とか

そういうものを全く、男性に求めなかったのね。

恋愛=結婚っていう図式を全く持ちあわせていなかったの。

その頃はね。

 

だから、ただ、ただ、お互いを求め合う感覚を楽しんでいたんだと思う。

相手の男性も一緒にいられる一瞬一瞬を、

燃やしつくすような、そんなエロスな関係だったんだろうと思う。

 

今考えてみても、私20年間一人ぐらしをしていたのに、

男性に一回も、家の鍵を渡したことがないのね。

ずーっと、私の部屋にいられると、早く帰ってほしいって思っちゃってたの。

一人になりたいって。一泊が限界。それ以上は、居てほしくなかった。

 

うっかりミスで、結婚してみて、これはこれで面白い生活だなっ思ってる。

だけど、久しぶりに存在の耐えられない軽さを見ていたら、

何となく私の中の燃えかすのようなものがくすぶってしまって、

普段は塗らない口紅をくちびるに塗ってしまった。

 

そして、恥ずかしくなって、洗面台ですぐに落してしまいました。

中年って、そんなお年ごろなんでしょうね。