女だから言えること | 引きこもり、精神病からの生還

太ったおじさんみたいなおばあさんの皮肉とメロドラマに満ちた遺言。

杉原千畝の映画を見てきました。

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どうしても映画館で、杉原千畝を見たくて、見に行って来ました。映画らしく、とってもドラマティックに描かれていて、映画が終わってしばらくするまで、その世界観に酔いしれてしまいました。

 

私がしっかりと杉原千畝氏の名前を覚えたのは、とある国に住んでいる時のことでした。その国でホロコースト博物館に行ったときに、ユダヤ人に貢献した日本人ということで、杉原千畝氏と、映画の最後のほうにちらっと出てくる天草丸の船長(無名過ぎてネットで調べても名前が見つけられない)の名前と顔写真が上がっていたのです。杉原氏は外交官なので、博物館に名前が残ってもおかしくないとは思いましたが、いくらユダヤ人を大量に助けたとはいえ、民間船の船長の偉業が博物館で讃えられていることに驚いたのを覚えています。

 

私はひねくれものなので、フィリップスの役員と外交官を兼務している、うっかり屋さんのオランダ人大使がインチキなビザを発行してユダヤ人を助けようとしたことに杉原氏が、そそのかされて、杉原氏まで、インチキなビザを書いたっていうふうに見ちゃいました。そりゃ、あなたはフィリップスの役員と掛け持ちだから、外交官の座を失ってもいいよねー。みたいなひねくれた見かたをしてしまいまいました。(いや、もっと愛に満ちた感動的なお話ですよ。)

 

私は、戦時下で色んな体験をした人の生の声を、けっこう聞けたほうだと思うんですね。リアル社会で、満州でロシアに捕まって、強制収容所に入って、って、それで、死体がゴロゴロと山のようにあった話、自分も殺されそうになった話とかも、何人かからきいたことがあるの。語り部さんたちから聞いた話もあるし、職場のOBのおじいちゃんたちから聞いた話もある。

 

海軍なんかで、軍艦が沈没するときに、浮き輪がたりなくて溺れ死んで行く人が続出するなかで、自分がつかんでいた浮き輪を手離して、若い人にゆずって自分は溺れ死んでしまったという上官の話なんかも聞いたことある。私自身が、その状況にあって、他人に浮き輪を譲れるだろうかって、当時思ったのと同じことを、この映画を見ていて思ってしまいました。

 

それとは別に、一般の社会人生活においても、ここまでダイレクトに命がかかっていないまでも、社内政治や駆け引きは当然のようにあって、みんな、大なり小なりその軋轢で苦しんでいるって、しみじみとしてしまいました。だからこそ、みんなが少しずつ損をして、ゆずりあって争いごとを減らして、戦争まで持ち込まないような世の中になればいいのにって、夢みたいなことを考えてしまいまいました。

 

この映画の前に、映画館で見た映画は「アメリカン・スナイパー」です。我が家は低所得なので、映画館で映画を見ることは非常に高級な娯楽なのですが、戦争物の映画は、日本という平和で豊かな国に生まれついて、暮らせていることのすばらしさに気づかせてもらえるので、何となく映画館に足を運んでしまいます。

 

日本のこの平和で豊かな状態が続いてほしいと、貧乏ながらも祈ることができる気持ちになった一本でした。機会があれば、是非、映画館で御覧ください。