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女だから言えること | 引きこもり、精神病からの生還

太ったおじさんみたいなおばあさんの皮肉とメロドラマに満ちた遺言。

眠る家があればいい。「山のあなた」と「逆説の十箇条」

山のあなた

 

山のあなたの空遠く

「幸」住むと人のいふ。

噫、われひとと尋めゆきて、

涙さしぐみ、かへりきぬ。

山のあなたになほ遠く

「幸」住むと人のいふ。

 

作詩:カール・ブッセ

訳詞:上田敏

 

やまの あなたの そら とおく

さいわい すむと ひとの いう

ああ われ ひとと とめゆきて

なみだ さしぐみ かえりきぬ

やまの あなたの なお とおく

さいわい すむと ひとのいう

 

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この詩が頭の中をぐるぐると回る。何度も書くが、「私は親と縁を切れば幸せになれる」「大学に行けばお金を稼げるようになれる。」「外国に住めば視野が広がる。」そんな、漠然としたすっとぼけた将来像を持って、ぼーっと生きてしまった。

 

私なりに、幸せ探し、自分探しをしてみたけど、最終的に気づいたことは「自分」も「幸せ」も、その一瞬一瞬に感じるものであって、あるようで、ないようなもの。般若心経がそれを教えてくれて、科学が「感情なんてタンパク質(脳)に電気信号が流れているだけ。」と証明してくれている。

 

人生は修行。耐えるしかない。一瞬の幸福のために、ちいさなイベントでも企画しよう。それを楽しみに生きていこう。そう、自分に言い聞かせている。考える暇がないほど働いていたときの虚しさと、考える時間がありあまるほどある今の虚しさは、そうは、変わらない。

 

山の向うに幸せを探しに行って、涙を流しながら帰ってきた。まるで、おつむの弱い私のようだと、すこし、皮肉な気分で自分自身をあざ笑ってしまった。

 

私が家賃3万円のオンボロアパートに暮らしていたとき、深夜2時くらいに自転車で帰宅していると、隣の部屋を借りているおじいさんがいつも、近所の飲食店のゴミ箱をあさっていた。その、おじいさんは私が女の一人暮らしなのをいいことに、仲良くしていたわけでもないのに、借金をしつこく申し込んできた。そして、お断りし続けたら、電話番号を教えてもいないのに、電話がかかってきて「お金を貸してほしい。」と言ってきた。「どうして、ウチの電話番号を知っているんですか?」と聞くと、「ちょっと、郵便を開けて。。」と言い訳。私の郵便受けの郵便物を勝手にあけて、電話番号を盗み見て、私に借金の申し込みをしてきたのだ。働いていた飲食店の副店長に借金を申し込まれたこともある。今考えれば「女の一人暮らし」という点がナメられた点だっただと思う。借金の申し出を断り続けた結果、隣のおじいさんに郵便物を盗まれ、捨てられるという嫌がらせまで受けた。

 

貧乏人には人情があるみたいな側面もあるのかもしれないが、貧乏人は貧乏人同士で、足を引っ張りあったり、タカったり、盗んだり、いやがらせをしたりしているんだろうと思うし、私も実際にそうやって、見ず知らずのおじいさんにタカられた。それが現実だ。だけど、それでもなお私は「逆説の10箇条」をここで、取り上げる。それは、私自身が人間の善意を信じたいという願望であり、信じようと努力している心の叫びなのだ。過去に、才能のある方々が人生の支えになるような言葉をつむぎだしてくれたおかげで、私はいま、この生きることの痛みを背負いながらも、なんとか生き延びることができているのだ。

 

逆説の十箇条

ケント・M・キース

1.人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。 それでもなお、人を愛しなさい。

2.何か良いことをすれば、隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。 それでもなお、良いことをしなさい。

3.成功すれば、うその友達と本物の敵を得ることになる。 それでもなお、成功しなさい。

4.今日の善行は明日になれば忘れられてしまうだろう。 それでもなお、良いことをしなさい。

5.正直で素直なあり方はあなたを無防備にするだろう。 それでもなお、正直で素直なあなたでいなさい。

6.最大の考えをもった最も大きな男女は、最小の心をもった最も小さな男女によって打ち落とされるかもしれない。 それでもなお、大きな考えをもちなさい。

7.人は弱者をひいきにはするが、勝者の後にしかついていかない。 それでもなお、弱者のために戦いなさい。

8.何年もかけて築いたものが一夜にして崩れ去るかもしれない。 それでもなお、築きあげなさい。

9.人が本当に助けを必要としていても、実際に助けの手を差し伸べると攻撃されるかもしれない。 それでもなお、人を助けなさい。

10.世界のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。 それでもなお、世界のために最善をつくしなさい。