女だから言えること | 引きこもり、精神病からの生還

太ったおじさんみたいなおばあさんの皮肉とメロドラマに満ちた遺言。

化粧に対する恨みつらみと、若い女性の抗議ブコメ

 昔、「電車で化粧」云々の炎上記事を書いたことがある。年寄りの私はネット上での「炎上」という言葉を知って、自分もやってみたくなった。だから、炎上しそうな「電車で化粧」というネタを書いてみた。すると、思った通り、炎上した。

 

 ちなみに一番気に入っているコメントは、

 

「あさっての方向へすっ飛んでいく文章の疾走感がすばらしい。これだけキレ芸が使えるブロガーは昨今いなかったのでは。」

 

というもの。私が意図的に炎上を狙っていることがバレバレで、その炎上芸をほめてもらったことが、素直にうれしかった。自分の「貧乏」をネタにした、軽いイタズラのつもりだった。そのイタズラが後々、自分の記事への信用度を落とすことになるのだが、まあ、自業自得かなとは思ってる。

 

 当時は、ネット社会というものをよく知らなかったし、年寄りなので、今も、ツイッターとかフェイスブックとかの使い方もわからない。一回登録したけど、使い方が分からなくて消した。当時は、あのような炎上芸は、匿名で増田でするものだということも知らなかった。スマホも先月買ったくらい、SNSとかに疎い。だが、あれはちょっとやりすぎだったのかな、と今は反省している。なんか、騒がせてごめんなさい。

 

 さて、前置きが長くなったが、最近、そのような古い記事に若い真面目な女性からコメントが入っていた。 

 

「化粧、ヒール、ストッキングは「必須」じゃない。ヒール履いてないが、圧力は感じたこと無い。誰にも何も言われない、気にしすぎ。顔そりなんてしてません(笑)そもそも、そんなに働いて「10万程度の手取り」って何。」

 

というものだ。

 

 この、若い女性は非常に良い問題提起をしてくれた。そうなのだよ。今は「化粧、ヒール、ストッキングは「必須」じゃない。ヒール履いてないが、圧力は感じたこと無い」と思える会社が増えたのだよ。

 

 だけどね、20~30年前は必須だった上に、化粧をしないことを貫こうとした女性(私自身)たちは職場でものすごい圧力を受けていたんだよ。

 

 まずは、私自身の化粧についての拒絶感について話そう。私の高校の時の保健室の先生は教育熱心で、毎日、保健室だよりを発行していて、毎日配られていた。プリントの中では一週間に3回くらいは「化粧品の有毒性」を理由に、いかに化粧をしてはいけないかが、とくとくと説明されていた。私は、それを3年間読み続けていて、「化粧は肌に悪いからしてはいけないものなのだ」思っていた。

 

 だが、高校を卒業して、いざ社会に出たらどうだ?当時は、手のひらを返したように、女が化粧をしないなんて「マナー違反」だ、という常識がまかり通っていたのだ。今まで、絶対にしてはいけないと教育されていた「化粧」が、社会に出たとたんに「絶対にやらなければいけないこと」になってしまったのだ。私は頭の切り替えができなかった。

 

 特に事務職や営業職では、「身だしなみ」というい名のもとに、(スカートの)スーツ、ストッキング、パンプス、化粧は必須だった。私は、「化粧品は毒」と思っているし、個人的に、化粧をすると「皮膚呼吸ができなくて苦しい」という不快感があるので、断固として化粧をしなかった。すると、案の定、上司から注意を受けた。

 

 同じく化粧を断固拒否する私の女友達(内勤)は、職場で「女性だけ集まってください。」と集められ、「今、化粧をしていない人は手を挙げてください。」と言われ、手を挙げると、他の女性社員の前で「社会人としての自覚が足りない。マナー違反だ。」と、説教されたのだ。

 

 それくらい、化粧をしない女性は弾圧を受けていたのだよ。

 

 さらに、私が、働きたいレストランを見つけて面接に行くと、当然、化粧は必須。(この時点で、化粧をすることを断固拒否している私は不採用決定だったのだが)、靴もヒールのある黒いパンプスでなければいけないということだったので、「ヒールのない黒い革の靴ではだめですか?」と、聞いてみた。(私は足が悪いのでヒールをはいては長く歩けないのだ。)すると、やはり、だめだと言われた。

 

 パンツスーツでさえ、「女性らしくない」という理由で怒られる職場もあった。

 

 職場による、とか上司の考え方によるとか言われれば、それはそうだ。だが、「身だしなみ」の概念がざっくりしすぎていて、会社や上司によって基準がまちまちなことが余計に私を混乱させた。学校で化粧のやり方なんか教えてくれないから、せっかく頑張って化粧をしても、今度は「化粧が厚い(化粧が上手いか、下手か)」ということで怒られる女性たちもいた。結局、私は化粧やパンプスを強要されず、制服のある職場で働くことを選ぶようになった。(主に飲食業)

 

 職務に必要なものなのであれば、会社が用意するか経費で落とせるようにするべきであると私は思う。それは男女同じで、例えば、男性が職場でスーツ着用を必須とされているのであれば、会社がスーツを買い与えるか、経費で買えるようにするべきだと思う。女性の事務職は、会社から制服が支給される場合もあるし、飲食業や工場は男女ともに制服を支給されるのだから、そんなに無理筋な話ではないと思う。

 

 それと同じように、女性にスカートのスーツ、化粧、ストッキング、パンプスを強要するのであれば、支給するか、経費で落としてくれ、と思っていた。そもそも、職場に着ていく服くらい自分で選ばせてほしいし、化粧だって、男性は強制ではないのに、何故、女性だけ強制なのかと思っていた。女性にスカート、ストッキング、化粧を強要するなら、男性にもスカート、ストッキング、化粧を必須にしてくれ。と思っていた。

 

 低収入の女性だけでなく、低収入の男性のスーツの自費購入も可哀そうだと思ってる。少なくても、(会社が服装に口を出すのであれば)制服としてのスーツが支給されたうえで、それが「ダサい」から気に入らないなどの、ファッションにこだわりがある人は自費で好きなスーツを買うというくらいの「選択の自由」があってもいいと思う。

 

「化粧、ヒール、ストッキングは「必須」じゃない。ヒール履いてないが、圧力は感じたこと無い」

 

と、私の記事に抗議してくる人がいるくらいまでに、若い女性が化粧や服装で差別されない社会になってきたことが、素直に、うれしい。というか、涙が出そうなくらいうれしい。

 

 だが、若くて有能な女性たちよ、覚えておいてほしい。あなたたちの服装の自由は、あなたがバカにしてる10万円の少ない給料の中から、化粧品やストッキングやパンプスを購入することを拒んで苦しんだ女性たちの、男社会の中で男と対等に戦って権利を勝ち取ってきたキャリアウーマン達の、血と汗と涙の結晶なのだと。

 

そして、地方や田舎では、まだまだ、そのような因習が残っていて、それに苦しんでいる女性たちがいるかもしれないことを。

 

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