女だから言えること

老いとともに。

「強い女」は幻想だと思うよ

p-shirokuma.hatenadiary.com

 シロクマ先生がこのような記事をUPしていた興味深く拝読いたしました。

blog.lalamiamor.net

 私自身が、このような女の生きざまについて少し触れるような記事を書いた直後だったので、静かに戦う女性達は男性から見るとそんなふうに見えているんだなぁ…と興味深く感じてしまいました。静かに戦うというのは、自分の置かれた環境・境遇や、自分自身の人生と戦うという意味で、対人で誰かともめ事をおこすことを意味するわけではないので、誤解のないように一応書いておきますね。

 さて、シロクマ先生が想定している女性像について、サザエさん、みさえさん、おソノさん等々、のキャラの名前が挙がっていますし、他にも色んなキャラ名が上がっていますが、私が一番ピンときたのは、

しなやかに社会に適応←わかります。職場の総合職女性はだいたい記述のタイプです。彼女たちは頭がいいんですよ。どう振る舞ったら波風立てず楽しく暮らせるか理解していて、自己肯定感高い故、顕示欲高くなくて。

このコメントでした。

 

 正直、シロクマ先生が想定しているようなしなやかな女性というのは、かなり優秀な類の女性達なんですよね。大手企業の総合職、ちょっとした会社の女社長など、私自身の友人知人にも、しなやかで、単独の「自分」というキャラのみで要領よく器用に立ち回る女性たちがいますが、本当に頭もよいし、よく訓練された人達です。

 こういった女性たちは、社会の上澄みにしか生息しておらず、そもそも私のようなフリーターや派遣しかやったことのない女は関わることすらできない、存在そのものを知ることがすらできなかった種族かもしれません。シロクマ先生がこういった女性達について語ることができ、ブクマカさんたちがピンときていないのは、シロクマ先生自身が「社会の上澄み」側に近いポジションの人だろうからだと感じたりします。

 私は時々、このブログで人間同士の誤解や行き違いは、「階層」ごとの価値観や観測範囲の違いから起こっていそうだと推測していますが、この記事でのシロクマ先生とブクマカさんたちの感覚の違いも、やはり、階層の違いから出会う女性のタイプが違っているから起こっていることなのではないかと感じられました。

 それに、人間関係を円滑に調整できる能力は意見の違う相手と交渉した「場数」の多さが決め手になりますから、自分と違う価値観の人を拒絶し、距離を取る(ことのできる立場の低い)人「交渉の訓練」の機会を喪失してしまいがちなので、あまり寛容、受容の能力の高い人にはならないという現実があるように思います。

 私の友人達にもしなやかで器用な女性達はいます。彼女らはもともと聡明ではありましたが、じゃあ、20代、30代でそこまでのコミュニケーションスキルや人間関係調整力があったかと言えばそうではありません。

 一つ一つ、新しく起こる問題・課題に対処し続け、出会ったことのないタイプの種族との交渉を重ね、そのスキルを高め、40代くらいでやっと他人の心の曲線に沿えるような柔軟な心を作りあげてきた結果としてのしなやさなのです。

 そこに至るまでには、誤解をし、行き違いを起こし、誤りをおかし、方策を見いだせず、結果を出せず、批判され、時には嫉妬し、時には執念が怒りに変わり、といった様々な苦悩をあきらめず粘り強く乗り越えた過去があったことでしょう。そういった過程をキャラクターに演じさせる方が物語としては面白いから、そうなりやすいという事なのだろうなと思いながらシロクマ先生の記事をよんでいました。もうすでに、その過程を終えてしまった女性はわき役キャラとして登場しやすいんだろうなという感じがします。

 彼女たちのすごいところは、そういった内心の葛藤をごく一部の人にしか吐露せず、対外的には一貫して「しなやかキャラ」を演じ続けるところなのです。

 私自身は最近はコミュニケーションを丁寧にすることが面倒になってきて、おっさんキャラで貫録を出したり、コギャルキャラで人との距離をぐっと縮めたりとかなり「キャラ依存」のコミュニケーションをするようになってきてしまいました。

 シロクマ先生の表現している女性像は、そんな私とは違いキャラを分断させずに一貫した「しなやか像」を演じきっている女性のことなんだろうなと思っています。ですが、シロクマ先生に残念なお知らせがあるとしたら、そういった女性たちも内心に様々な葛藤を抱えていて、誰かしらの前では「弱い女」になっていたりするという事です。

例えば、親友にだけは泣き言を言っていたり、娘にだけはえぐい愚痴を言っていたりといったようなことです。

 シロクマ先生も男性ですから、少なからず「強い女性」はいるという幻想を持ちたいのかもしれませんが、人間は多面的です。どこかで強い女を演じていれば、どこかで弱い女を吐き出している。それが女であり、人間です。

 私の女友達でも大手企業でそこそこの立場になったり、女社長を何十年もやっている人もいますが、プライベートな心情まで立ち入って話をしてみると「強い女性」なんて、存在しないと感じることのほうが多いですね。

 誰の前では演技をして、誰の前では本音を言うべきか、誰の前で強く明るく振る舞い、誰の前では弱みを見せて良いのか、そういったことをしなやかに判断できる人は「強い女」というようりも「器用な女」と表現するほうが適切なのかもしれませんね。

 また、美意識の高い女性や、うっかりするとすぐにモテてしまう女性は、男性の前では弱みを見せませんから、一部の男性はそうった女性に幻想を抱いてしまうのかもしれませんね。あはは。

 どんなに強くしなやかに見える女でも、女同士のプライベートな付き合いの中では、泥臭い、生臭い本音を持っているという禁断の秘密(笑)を、ピュアな男性陣たちに、こっそり教えてあげるためにこの記事を書いてみました。

 さて、アラフィフ女の私も、これからもっと器用になっていくのか、愚鈍になっていくのか自分自身でも楽しみです。

おわり